こんにちは。
今日は私が普段愛用しているピンセットを紹介します。
ハンドメイドや、模型作りで必須アイテムのピンセット。
ピンセットは、作品のクオリティと精細さを左右する大事なツールです。
たかがピンセットごときに大げさな・・・と思われるかもしれません。
小さい部品をつまめない時の精神的なイライラは作品に出ますし、
狙ったところに物を置いたり貼り付けたりできないので
クオリティの低い作品になってしまいます。
100均クオリティでは良い作品は作れない
細かい物をつまめないような、ピンセットの基本すら満足にできない
劣悪な物も多く出回っています。
ネット通販サイトなどで検索すれば、いくらでも探せますし、
100均ショップにも売ってます。
ピンセットを始め、ペンチやニッパー、ノギスやヤスリ、バイス等々
100均の物を使っている人、それで満足している人は、
残念ながら良い作品を作ることはできないと考えています。
物づくりに対する「思い」というか、ベクトルが違いすぎます。
「そんなことない!」とお怒りになる人もいると思いますので、
「あくまで、私の個人的見解なので」という逃げ道は作っておきますが、
かなり本気で、そう思っています。
「弘法筆を選ばず」という格言がありますが、
それにも限度があると思います。
100均にも良い商品はたくさんあります。
私も良くお世話になります。
でも、こと工具類に関して言えば、「なし」です。
医療用か精密機械用が最強だと思う
ピンセットの精度で言えば、
医療用で細かい縫合をするときに使う物だとか、
腕時計の0.1mm単位の部品を組み立てる時に使うようなものが
最強なんだと思います。
どちらも、拡大鏡で手元を拡大しなければできないような
細かい作業に使う物ですから、かなりの精度が求められます。
「精密部品用」「医療用」などの単語で検索すると、
通販に対応している製品もあるようです。
価格は6,000円台から1万円を超える物まであります。
一度は手にしてみたいとは思っているのですが、
さすがに、少し手が出しにくい価格帯ではあります。
それに、いくら「精度が大事」と言っても、
少なくとも私の扱う作品では、0.1mm単位の作業はないので
ここまでの物は必要ないのが正直なところですね。
日本の工具メーカーが作るものが無難
「医療用などには劣るものの、
ハンドメイドや模型制作では充分な精度があるピンセット」
ということになると、
「精密」とうたって販売している物の中から
自分の好みでチョイスするのが現実的なところだと思います。
私の場合、
●日本メーカー
●非磁性の金属製
という条件で選んでいます。
日本メーカーを選ぶ理由は、言わずもがな、精度重視のため。
金属製を選ぶ理由は、レジンが付着して固まった際に
火にあぶって、レジンだけを焼き落とすためです。
樹脂やカーボンのピンセットでは火にあぶれないですので。
というわけで、普段、使っているピンセットたちを紹介します。
1軍選手
スタンダード・ストレートタイプ
ケイバ カチオンコートピンセット スリムSS TS-S-I
ペンチやニッパーでも
私のイチオシのブランド、新潟県三条市、マルト長谷川工作所の「KEIBA(ケイバ)」シリーズ。
非磁性ステンレスピンセットで、
カチオン系界面活性剤により帯電防止効果に優れ、表面のゴミ付着を防止します。
精度:3.5/5点
(評価は私の主観。0.1mmレベルに対応できる物を5点とした評価。以下同様)
0.1mmレベルの作業は辛いかもしれませんが、
0.5mmレベルなら充分対応できる精度です。
ハンドメイド・模型制作には充分なレベルです。
比較的安価な価格帯(実売1000円前後)でこの精度は、さすがケイバと言ったところ。
(販売店によって、かなり価格差がある印象です)
ケイバ(KEIBA) カチオンコートピンセット スリムSS TS-S-I
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ストレート・先丸タイプ
ケイバ カチオンコート ストレート先丸 TS-2-I
こちらもケイバのカチオンコートシリーズ。
先丸タイプは、点ではなく面で物を挟むので
左右の「クチバシ」が文字通り「面」で接触しない物はダメです。
こちらのピンセットは、ぴったりと面で挟んでくれます。
小さな紙片や、デカール、シール、
また、ドライフラワーをつまむときに重宝します。
精度:4/5点
カチオンコートピンセット TS-2-I
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高儀 GISUKE ステンレス マイクロピンセット 先丸
こちらも新潟県三条市の工具メーカー、高儀の製品です。
金属加工が盛んな三条市・燕市エリアには良いメーカーがたくさんあります。
ステンレス304素材で作られた完全非磁性ピンセットです。
精度:3.5/5点
手持ちのケイバの先丸タイプに比べると
やや面の合わせ目がそろっていないかなぁ、という感じなので、
1軍ではあるものの、控え選手的になっていますが、
誤差と言っても良いレベルで、
おそらく、個体差があると思うので、ケイバと比較しても甲乙付けがたいです。
素材と非磁性をきちんと明記(刻印)してある点は高評価です。
高儀 GISUKE ステンレス マイクロピンセット 先丸 120mm No.2
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鶴首(先曲がり)タイプ
HOZAN(ホーザン) PP-112
大阪の工具メーカー、ホーザンの先曲がりピンセット。
完全非磁性のステンレス(SUS)316L素材です。
ステンレス316Lは、
ハンドメイド界では「サージカルステンレス」という名称で有名ですね。
サージカルつまり医療用に使われるステンレスということでしょうが、
実際にはサージカルステンレスという分類のステンレスはありません。
316Lだけが医療用でもありません。
316L以外のステンレス製品も医療現場で使われているようです。
金属アレルギーを起こしにくい素材であることを
アピールするために使われる造語です。
精度:4.5/5点
驚くべきはその精度です。
0.1mm単位の作業でも問題ないレベルでしょう。
尖ったクチバシの先が点と点でピタッと合います。
同じ価格帯のピンセットでは頭1つか2つ抜けていますね。
本当は5点満点付けたい気持ちなのですが、
1万円超えレベルの医療用ピンセットの実力を知らないので4.5点にしました。
ホーザン(HOZAN) ピンセット(ツイーザー) 精密仕上げ 先端幅0.3mm 完全非磁性 PP-112
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鶴首・先丸タイプ
トラスコ中山 高精度ピンセット TSP-77
東京に本店のあるトラスコ中山の製品です。
ドライフラワーの花弁や葉を傷つけずにそっと挟むのに丁度よく、
私の中では1番使用頻度の高いのがこの鶴首先丸タイプです。
レジンの中にフラワーを立体的に配置する際は、
手前の花に触らずに、後ろの花に触りたいこともあるのですが、
鶴首タイプはそんなときに重宝します。
面と面でぴったり合い、精度も問題ありません。
精度:4/5点
TRUSCO(トラスコ) 高精度ステンレス製ピンセット 120mm 先丸鷲型 TSP-77
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2軍選手
悪くはない、しかし、一歩及ばない
タミヤ 精密ピンセット 鶴首・先丸タイプ
ハンドメイドや模型作りのツールで迷ったら
タミヤを買っておけば間違いない、というほど(自分の中では)信頼しているブランドです。
精度:3.5/5点
おそらく、タミヤの工具類は自社生産ではなく、
国内の他メーカーに生産を委託している(OEM)のだと推測します。
このピンセットも、上で紹介した、トラスコ中山のピンセットと同じ形です。
当然ながら精度も悪くありません。
↑写真奥がタミヤ、手前がトラスコのピンセット。
全く同じ形状です。
タミヤ製が黒ずんでいるのは、訳あって火であぶり、
焼き入れ処理をしたためです。
3.5点の評価ですが、
だいぶ年季が入ったピンセットで、ヘタって来ているためです。
ヤスリで先を整えながら使用しています。
新品ならトラスコと同じく4点レベルでしょう。
おそらく、トラスコと同じ金型で製造されていると推測します。
なぜこれが2軍なのかというと、
素材がステンレス410である点です。
ステンレス400番台は、300番台と違い、磁気を帯びやすい性質を持ちます。
そのため、ピンセット自体が磁石のようになってしまい、
金属パーツを扱いにくくなるというデメリットがあります。
私は制作で磁石を扱うことがあるので、
磁石にくっつかないピンセットのほうが使い勝手が良いのです。
プラモや木工など、金属パーツを扱わないなら、
文句なしに1軍入りのピンセットです。
磁気を帯びてしまったステンレス410ですが、
火で真っ赤になるまであぶって、水で急冷する、
いわゆる「焼き入れ」処理をすると、
ある程度は磁気を飛ばすことができます。
完全とは行かないまでも、
かなりのレベルで脱磁できます。
写真のピンセットは、ガスコンロの炎で焼き入れした際に
黒ずんでしまいましたが、
磁力が消えて、使いやすくなりました。
でも、再度磁石にくっつけると、磁力を帯びてしまうので注意です。
タミヤ クラフトツールシリーズ No.108 精密ピンセット (先丸/ツル首タイプ) 74108
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アレックス(ALLEX) P-4F
岐阜県の林刃物という会社のピンセットです。
鶴首の先の尖ったタイプです。
精度は可もなく不可もなし、という標準レベルな印象です。
ちょっとしたプラモデルや模型作りに使うなら問題ありませんが、
細かい作業にはストレスがたまるかもしれません。
私は、ヤスリで先の形を整えて、
ある程度、こまかい部品にも対応できるようにしていますが、
既に上で紹介した他のピンセットを使った方が楽なため、
今では、レジンの中にツッコんで、封入物の位置を調整する時くらいにしか使いません。
精度:3/5点
素材はステンレス(SUS)420J2で、磁気を帯びやすい点も、マイナスポイントです。
このピンセットも何度か火であぶっているため、
コーティングが剥がれてしまっています。
アレックス(ALLEX) ピンセット P-4F フッ素コーティング 21111
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最後に
いかがだったでしょうか。
私の使っているピンセットをだーっと紹介しただけの記事ですいませんでした。
しかし、ピンセットという、一見地味なツールですが、
こいつの精度が良いか悪いかで、制作の効率や
完成度がかなり変わることも事実です。
ここに紹介した物以外にも、良いピンセットがたくさんありますので、
皆さんの用途に合ったものを探してみてください。
今日も「千花」に来てくれてありがとうございます。
アマゾンなどで検索すると、
海外製の安い製品がたくさんヒットします。
10本入り、ケース付きで1,000円程度のピンセットなど。
海外からの輸送費と利益考えたら、
製造原価などほぼゼロに近いような製品です。
こういう製品を買うな、とは言えませんが、
アタリハズレが多いと思いますよ。
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